脳梗塞の後遺症で「寝てばかり」のご家族へ。寝たきりを防ぎ、笑顔を取り戻すための訪問マッサージという選択肢

脳梗塞後遺症で寝てばかりいる人には訪問マッサージがおすすめ
リハビリ病院ではあんなに頑張っていたのに、家に帰ってきてから、ほとんどベッドで寝て過ごしている。
声をかけても「疲れた」「しんどい」と、起き上がろうとしてくれない。
このままでは、本当に寝たきりになってしまうのではないかしら。

脳梗塞の後遺症と向き合う大切なご家族が、一日中横になっている姿を目の当たりにして、あなたは今、強い不安と焦り、そして

自分の関わり方が悪いのかもしれない。

という無力感に苛まれているかもしれません。

そのお気持ち、痛いほどよく分かります。

まず、一番にお伝えしたいことがあります。

ご家族が「寝てばかり」になってしまうのは、決してあなたのせいではありません。

それは、脳梗塞という病気が引き起こす、心と身体の複雑なサインなのです。

なぜ「寝てばかり」の状態に陥ってしまうのか、その本当の理由と、放置してしまうことの危険性。

そして、ご自宅でできるご家族のケアと、専門家だからこそできる「訪問マッサージ」について、具体的にお伝えしていきます。

この記事を読み終える頃には、

明日からこれを試してみよう。

専門家に相談してみよう。

と、前向きな一歩を踏み出す勇気が湧いてくるはずです。

どうか、一人で抱え込まないでください。

私たちと一緒に、解決の糸口を見つけていきましょう。

なぜ?脳梗塞の後遺症で「寝てばかり」になってしまう3つの理由

ご家族の状況を理解するためには、まず「なぜ、そうなってしまうのか」という原因を知ることが大切です。

ご本人が怠けているわけでも、やる気がないわけでもありません。

そこには、脳梗塞の後遺症特有の、目には見えない「つらさ」が隠されています。

身体的なつらさ(麻痺による極度の疲労感)

私たち健康な者が無意識に行っている「起き上がる」「座る」「立つ」といった一つ一つの動作。

脳梗塞の後遺症で麻痺が残った方にとって、これらは全力疾走するのと同じくらい、あるいはそれ以上にエネルギーを消耗する大変な活動です。

麻痺した身体を動かそうとすると、脳は普段使わない神経回路をフル活用し、全身の筋肉が過剰に緊張します。

そのため、少し動いただけでも、どっと疲れが出てしまうのです。

ご本人が口にする「疲れた」という言葉は、私たちには想像もできないほどの、切実な身体からのSOSサインなのです。

精神的なつらさ(意欲の低下・脳のダメージによる変化)

「昨日まで当たり前にできていたことが、今日はできない」 この現実は、ご本人の心に大きなストレスと喪失感を与えます。

将来への不安、家族に迷惑をかけているという罪悪感などが積み重なり、気分が落ち込み、何事にも興味や関心が持てない「アパシー(意欲・無気力状態)」や、うつ状態に陥ってしまうことは少なくありません。また、脳梗塞は脳の感情をコントロールする部分にダメージを与えることもあり、それによって感情の起伏が乏しくなったり、やる気が起きにくくなったりすることもあります。

これは性格が変わってしまったのではなく、病気による症状の一つなのです。

感覚の障害と環境の変化

脳梗塞の後遺症には、手足がしびれたり、触っている感覚が鈍くなったりする「感覚障害」もあります。

自分の手足がどこにあるのか、どんな状態なのかが分かりにくいため、動くこと自体が怖くなってしまうのです。

さらに、専門のスタッフが揃い、すべてがリハビリのために設計されていた病院とは違い、ご自宅は段差や家具など、ご本人にとっては障害物が多く、心理的なハードルが高くなります。

転んだらどうしよう。

という恐怖心が、ベッドから離れる意欲を削いでしまうことも、十分に考えられるのです。

最も避けたい「廃用症候群」。寝てばかりでいることの本当のリスク

疲れているなら、ゆっくり休ませてあげた方がいいのでは?

と思われるかもしれません。

もちろん休息は必要です。

しかし、活動しない時間が長すぎると、「廃用症候群(はいようしょうこうぐん)」という、心身のあらゆる機能が低下してしまう状態を引き起こす危険性があります。

廃用症候群とは、簡単に言えば「使わない機能は、驚くべきスピードで衰えてしまう」ということです。

これは、脳梗塞の後遺症を持つ方にとって、最も避けなければならない事態と言っても過言ではありません。

具体的には、以下のような深刻なリスクがあります。

  • 筋肉の萎縮と関節の拘縮(こうしゅく) 動かさない筋肉は痩せ細り(萎縮)、関節は固まって動かせる範囲がどんどん狭くなります(拘縮)。拘縮が進行すると、腕が曲がったまま、指が握ったまま固まってしまい、着替えや身体を拭くといった日常的なケアさえも困難になります。ご本人にとっても、介護するご家族にとっても、大きな苦痛を伴います。
  • 床ずれ(褥瘡:じょくそう) 長時間同じ姿勢で寝ていると、体重で圧迫された部分の血行が悪くなり、皮膚やその下の組織が壊死してしまいます。これが床ずれです。一度できてしまうと非常に治りにくく、激しい痛みを伴い、感染症の原因にもなります。
  • 心肺機能・消化器機能の低下 心臓や肺の働きが弱まり、少し動いただけでも息切れしやすくなります。また、誤嚥性肺炎のリスクも高まります。腸の動きも悪くなるため、頑固な便秘に悩まされることも少なくありません。
  • 認知機能の低下 起き上がって周りの景色を見たり、人と会話したりといった外部からの刺激が極端に減ることで、脳の働きが鈍くなり、認知症を発症・進行させるリスクが高まります。

「寝てばかり」の状態を放置することは、こうした負のスパイラルに陥る入り口です。

この流れを断ち切るために、ごくわずかでも良いので、身体を動かし、外部からの刺激を与え続けることが非常に重要なのです。

ご家族にできること。心と体に寄り添うマッサージの始め方

でも、何をすればいいの?

そう思われたあなたへ。

まずは、あなたのその温かい手で、ご家族の身体に優しく触れることから始めてみませんか。

マッサージは、身体をほぐすだけでなく、安心感を与え、心を繋ぐ大切なコミュニケーションになります。

始める前の3つのお約束

安全に行うために、必ず以下の点を確認してください。

  1. 体調の確認:熱はないか、血圧は安定しているか、ご本人が痛みや不快感を訴えていないか、必ず確認しましょう。
  2. 無理強いはしない:「今日はやりたくない」という日は、ご本人の気持ちを尊重しましょう。無理強いは逆効果です。
  3. コミュニケーションを大切に:「痛くないですか?」「気持ちいいですか?」と常に声をかけ、ご本人の表情を見ながら行いましょう。

【実践編】麻痺側の拘縮を予防するやさしいマッサージ

脳梗塞後遺症の方へのマッサージは、特に拘縮が起こりやすい麻痺側を中心に、ゆっくり、丁寧に行うことがポイントです。

硬くなりがちな手指を開くマッサージ

麻痺側の手は、指が内側に曲がり、握りこんだまま固まってしまいがちです。

  1. まず、あなたの手のひらで、ご本人の手の甲を包み込むように、5〜10回ほど優しくさすります。
  2. 次に、握りこんでいる指の間にあなたの指をそっと入れ、指を1本ずつ、付け根から指先に向かってゆっくりと、やさしくなでるようにマッサージします。
  3. 焦らず、少しずつ指を開いていき、手のひらを広げられるようになったら、あなたの親指の腹で、ご本人の手のひらを「の」の字を描くようにゆっくりとマッサージします。
  4. 最後に、指を1本ずつ、ゆっくりと反らす方向にストレッチします。「痛い」と感じる手前で止め、10秒ほどキープします。

肘や膝の曲げ伸ばしを助けるマッサージ

固まりやすい関節を、無理のない範囲で動かしてあげましょう。

  1. (肘の場合)麻痺側の手首と肘の下をあなたの両手でしっかりと支えます。
  2. 「今から肘をゆっくり曲げますね」と声をかけ、ご本人の力の抜けるタイミングに合わせて、ゆっくりと肘を曲げられるところまで曲げます。
  3. 次に「ゆっくり伸ばしますね」と声をかけ、同じようにゆっくりと伸ばします。これを5〜10回繰り返します。
  4. (膝の場合も同様に)かかとと膝の下をしっかりと支え、ゆっくりと曲げ伸ばしを行います。

ポイント:決して無理やり動かさないでください。ご本人の筋肉が抵抗するようなら、その日はその手前で止めましょう。「動かす」ことよりも「支えてあげる」意識が大切です。

むくみやすい足のマッサージ

動かさない足は、血行が悪くなり、むくみやすくなります。

  1. 足首から膝へ、膝から足の付け根に向かって、両手のひらで包み込むように、ゆっくりとさすり上げます。血液やリンパ液を心臓に戻してあげるイメージです。
  2. 足の指を、手の指と同じように1本ずつ丁寧にマッサージします。
  3. 足の裏全体を、あなたの両手の親指で、かかとから指の付け根に向かって、じわーっと圧迫するように押してあげます。

これらのケアは、ご家族の「何かしてあげたい」という気持ちを行動に移す、素晴らしい第一歩です。

しかし、拘縮の予防や改善、痛みの緩和には、より専門的な知識と技術が必要になる場面も少なくありません。

専門家がご自宅へ。「訪問マッサージ」で機能維持

ご家族によるケアは非常に大切ですが、それだけでは限界を感じたり、ご家族自身が疲れ果ててしまったりすることもあります。

そんな時、あなたの力強い味方になるのが、「訪問マッサージ」です。

「訪問マッサージ」とは?

あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持った専門家が、あなたのご自宅に直接訪問し、マッサージやリハビリ(機能訓練)を行うサービスです。

脳梗塞後遺症による麻痺や拘縮など、自力での通院が困難な方が対象で、医師の同意書があれば、健康保険(医療保険)が適用されます。

介護保険のサービスとは別枠なので、ケアプランを圧迫することもありません。

訪問マッサージがもたらす3つの大きなメリット

訪問マッサージを利用することで大きく3つのメリットがあります。

【身体機能の維持・改善】専門家による的確なアプローチ

国家資格を持つマッサージ師は、筋肉や関節、神経に関する深い知識を持つプロです。

ご本人のその日の体調や身体の状態を的確に見極め、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの施術を行います。

  • 拘縮の予防と緩和:固まった関節や筋肉に対し、無理なく、しかし効果的にアプローチし、可動域を広げます。
  • 痛みの軽減:血行を促進し、筋肉の緊張を和らげることで、麻痺に伴う痛みやしびれを軽減します。
  • むくみの改善:リンパの流れを改善する手技で、つらいむくみを解消します。

【精神的な安定と意欲の向上】社会とのつながりを生む

週に2〜3回など、定期的に施術者が訪問することは、ご本人にとって大きな刺激になります。

  • 心地よい刺激とリラックス:マッサージによる心地よい刺激は、心身の緊張をほぐし、不安を和らげます。
  • 信頼できる第三者との会話:家族以外の人と定期的に会話することは、社会とのつながりを感じさせ、孤独感を癒し、生活にメリハリを生みます。「先生が来るから、少し着替えておこうかな」といった、小さな意欲の芽生えにつながるケースも少なくありません。

【ご家族の介護負担の軽減】一人で抱え込まない安心感

訪問マッサージは、ご本人だけでなく、介護するご家族にとっても大きな支えとなります。

  • 介護の相談相手ができる:「最近、ここが特に硬くなってきた」「こんな時どうしたらいい?」といった日々の細かな悩みや不安を、専門家に直接相談できます。
  • 精神的なゆとりが生まれる:専門家が定期的に関わってくれることで、「自分一人ですべてを背負わなくていいんだ」という安心感が生まれます。ご家族の心が軽くなることは、より良い介護につながります。

「寝てばかり」だった方が、訪問マッサージをきっかけにベッドから起き上がって座る時間が増え、表情が明るくなり、ご家族との会話が増えた、という例を私たちは数えきれないほど見てきました。

諦めないでください。必ず未来は変えられます。

ご家族が「寝てばかり」でいる姿を見るのは、本当につらく、未来が見えないような気持ちになることでしょう。

しかし、どうか諦めないでください。 その状態は、決して固定された未来ではありません。

あなたの愛情のこもった日々のケア。

そして、専門家である訪問マッサージ師の、知識と技術に基づいたサポート。

この二つが合わされば、ご本人の「寝てばかり」の状態に、必ず良い変化をもたらすことができます。

まずは、ほんの少しの勇気を出して、専門家に相談することから始めてみませんか?

多くの訪問マッサージ事業所では、無料で施術を体験できるサービスも行っています。

「うちの場合は、保険が使えるのかしら?」 「どんな人が来てくれるの?」 どんな些細な疑問でも構いません。

その一本のお電話が、ご家族の、そしてあなた自身の未来を、より明るく、希望に満ちたものに変えるための、大きな大きな一歩になるはずです。

ぜひ、訪問マッサージの利用を検討してください。

サクラソウ鍼灸院でも無料体験にお伺いしております。
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この記事を書いた人

サクラソウ鍼灸医院院長 川端明生
鍼灸師・あんまマッサージ師。 治療歴20年、訪問リハビリ歴10年以上。歩行リハビリの専門家として、数多くの方に「もう一度自分の足で歩ける喜び」を届けてきた確かな技術を誇る鍼灸マッサージ師。治療家が安心して働ける環境づくりにも力を注いでいる。
プロフィール詳細

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